Nipponの表象

昭和戦前期・戦後期の写真・デザイン・映画をテーマに書いてます

国際文化振興会って知ってますか?

国際文化振興会は、海外に日本文化を紹介することを目的に1934年に設立された外務省の外郭団体です。映画・写真の製作、出版、海外博覧会への参加など、多方面にわたる文化事業を展開しました。

国際文化振興会は、昭和戦前期のメディア研究、特にプロパガンダなどを研究している研究者の間ではよく知られている存在です。現在の国際交流基金のように(事実、国際交流基金は部分的に国際文化振興会を引き継いでいます)、日本と諸外国が相互に文化交流して親睦を深めて、国際理解を進めていこうという趣旨がメインでした。しかし、太平洋戦争が激化していくなかで、当初の穏やかな「国際交流」の理念は形骸化し、「対外文化宣伝」が目的に掲げられるようになっていきました。

 

国際文化振興会は、当時頭文字をとって「KBS」と略称されていました。KBSについては、芝崎厚士さんがすでに『近代日本と国際文化交流 国際文化振興会の創設と展開』(有信堂、1999年)という労作を著しています。このテーマの基本書と言っていいでしょう。

KBSが製作した膨大な写真群については、柴岡信一郎さんの著作『報道写真と対外宣伝 十五年戦争期の写真界』(日本経済評論社、2007年)もあります。

実は私も、KBSの文化事業の一つだった海外博覧会参加をテーマに、『戦時下の万博と「日本」の表象』(森話社、2012年)という本を出しています。

学術論文に関しては、もっといろいろとあります。つまり、なかなか魅力的なテーマなのです。

 

それでも、まだ詳細に研究されていないたくさんの「ネタ」が眠っているのです。とはいっても、すべてが学術論文や研究書にまとめ上げられるかといえば、そうはいきません。アカデミックな論文にしていこうとする時、切り捨てられていくエピソードや事象は数多くあります。しかし、「これは必要ないな」と切り捨てられた枝葉末節の部分に、意外と面白いものがあったりします。

このブログでは、「論文に書くようなことではないけれど、このまま埋もれてしまうのは勿体ないな」と私が感じたものを、いろいろ紹介していきたいと思います。

 

KBS以外にも、どこかに書き残しておきたいと思う、ちょっとした面白いことがいろいろあります。

そうしたことをこれからお話していきます。